2011年4月10日日曜日

四十七章 鹿風連合

世界を股にかけ、数々の有名な舞台の美術デザインを手がける土屋茂昭氏が、昨日重信町の坊ちゃん劇場で行われた新作ミュージカル「誓いのコイン〜ロシア兵をもてなした松山〜」の初日公演、舞台挨拶のあと、松山市内をスルーしてわざわざ北条まで来てくれました。

以下、土屋氏の手がけた主な作品。

団四季「鹿鳴館」「ブラックコメディ」「CATS」「李香蘭」「EVITA」「南十字星」「ユタと不思議な仲間達」他、地球ゴージャス「クラウディア」(日生劇場)「HYUMANITY」(新宿コマ劇場) 明治座「大奥」ザルツブルグ オペラ「エレクトラ」(祝祭劇場)など、ストレートプレイ・ミュージカル・オペラの舞台美術デザインを手がける。
また、
長野冬期オリンピック開・閉会式 美術総合スーパーバイザー、函館五稜郭野外劇プロジェクト・吉野ヶ里歴史公園再生プログラム、坊ちゃん劇場(重信町)など地域との連携活動も行う。

土屋氏は、風早社中のデザイン部門顧問である山内敏功さんのデザイン専門学校時代の同級生。同級生には、あのスタジオジブリの絵職人こと男鹿和男さんもいらっしゃいます。北条の魚やにし貝の味を気に入っていただいたようで、いつもこちらまで足を伸ばしてくれます。

写真左が男鹿さん、右が土屋さん

昨夜は北条の居酒屋さんにて、東京からお越しの劇団音楽スタッフ、秋田からお越しのわらび座のスタッフらとともに土屋氏を囲んで久しぶりに盃を傾けました。

誰と飲むときもそうですが、一番の酒の肴は「話」。演劇、音楽の話から原発、メディアの報道規制や人生哲学の話まで、第一線で活躍する方々の話は刺激になります。外からの風に耳をかたむけることはとても大事だと。

たまたま我々の後ろの座敷で、この町の区長さんたちが集まって飲み会をやっていました。


お酒が入ってご機嫌の区長さんたち。「NPOを立ち上げてくれてありがとう!」と口々に有り難いねぎらいの言葉をいただきましたが、中にお一人だけ、ご機嫌ななめの区長さんがいらっしゃって、話を聞けば、「今更鹿島じゃない!道の駅 風和里を中心にしたまちづくりにしなければいけない(怒)」と。貴重なご意見です。

「鹿島と風和里を比べるのはおでんとラーメンを比べるようなもの。どちらも大事です。今道の駅 風和里はすでに拠点になってます。これからも風和里が鹿島に脅かされるようなことはないです。鹿島を今のまま放っておくのはもったいない。せめてゼロ地点に戻したい。誰に聞いても皆、北条といえばやっぱり鹿島とお答えになります。」というと、

「皆って誰ぞお?わしは言うてない!(怒)」と。

ちゃんとお話をしたかったのですが、他の区長さんらが「(このお人は今日お酒が入り過ぎているので話をせられん)」と、目で合図をするもので、席から離れました。

なので結局、この区長さんが何が気に入らないのかを聞くことが出来ませんでしたが、もし何か誤解があるのなら誤解を取っておかなければいけないなあと。

風和里の邪魔をするつもりなどまったくありません。逆に、鹿島から風和里方面に遊覧船を出して風和里の存在を印象づけ、帰りに風和里に寄っていただく。双方を観光客に楽しんでいただくのです。鹿島があるから風和里から見た景色が美しいのです。双海町の景色よりもいいと言われる人が多いのはそういうことだと思います。鹿島がなければ味気ない景色です。


風早八十八カ所巡りの復活もそうですが、北条の面白い場所が個々に存在するのではなく、点と点を結んで線にてゆく作業をしなければならないと思っています。そのためには各地区が協力し合う必要があります。

小さな町の小さな地区同志が歪み合っていては北条の新しい夜明けは生まれません。幕末の薩摩と長州のごとく、鹿島と風和里が手を組めば、北条全体が体制を破る大きな力になってくれるはずです。これこそ、「鹿風連合」。なあ〜んてこじつけるのはどうかと思いますが、既成概念を取り払って、外からの風(斬新なアイデア)も取り入れてゆきましょう。

話を戻して、土屋氏が舞台美術を手がけた坊ちゃん劇場の新作ミュージカル「誓いのコイン〜ロシア兵をもてなした松山〜」、是非足をお運び下さい。