2012年3月13日火曜日

百三十七章 昭和レトロタウン

先日、BS日テレで「松山市ことばのがっしょうコンクール」のドキュメント、「松山市ことばのちから実行委員会」の取り組みが全国に放送されました。
録画してたビデオを見ながらかみさんと共に号泣。泣いた後は憑きものがとれたように目元がすっきりしていい顔になってました(自分でいうな)。我がまちのことばに対する取り組みを誇りに思いました。子規さんもさぞかしお喜びのことでしょう。

この番組の後半に、大分の豊後高田市の昭和レトロタウンのまちおこしの取り組みが紹介されていたのですが、この町のまちづくり活動が素晴らしかったのでご紹介します。

北条と同じくらいの規模の商店街を持つ豊後高田市、10年前まではほとんどのお店のシャッターが降り、「鉄砲を撃っても誰にも当たらない」と言われるほど人がいない商店街だったそうです。「にぎわっていた昭和30年代頃の町の雰囲気に戻せば人が戻ってきてくれるのではないか?」と思いつき、1人の人が昭和のまちおこしを提案するのですが賛同者はたった4人。「何もやらないよりは何か始めよう」と7店舗からスタートしたこの町の昭和レトロタウンのまちおこし、最初の年に2万5千人が訪れ、人が来るようになって賛同してくれる店舗も増え、10年経った現在、なんと年間40万人の観光客がくる有名商店街になりました。
この商店街を一度見ておきたいと思い、
先週水曜日、休みを作って日帰りで豊後高田市へ行ってきました。
夕方4時頃豊後高田市に到着。
駐車場が広いのがいい。これなら観光バスもたくさんやってこられるので旅行代理店の人もツアーに組み入れやすいですよね。
駐車場の横には蔵を改造した総合案内所、昭和のアイテムを展示している昭和ロマン蔵が。
平日だったので観光客の姿はほとんどありませんでしたが、地元の子供たちがこの昭和レトロの雰囲気漂う場所で遊んでいる姿がなんとも良かったです。レンタル自転車も整備され、懐かしい昔のトラックや乗用車が展示されていました。
昔のテレビやラジオが展示。
アイロン、タイプライターなどの生活感漂うものも。
他にもいろんな部屋があり、入館料は大人600円でした。
総合案内所、昭和ロマン蔵の全体像。
ここから徒歩3分ほどのところに商店街があります。
こぢんまりとした商店街です。
旧196号沿いや旧北条市役所辺りまで入れると北条の方が商店街は大きいです。
市の補助金三分の一、県の補助金三分の一、
自費三分の一で看板やお店をリフォームしています。

魚屋さんも。
薬屋さんも。
商店街にある展示館は無料。お金を落としてもらいたいのは商店街のお店だからです。
土日祝日にはレトロバスが無料で運行。レトロバスは寄付金で購入したそうです。

休憩所では自分の生まれた日の新聞を見ることができます。
お金がない中、いろんなアイデアで町を盛り上げています。
グルメイベント。
季節ネタイベント。
下の写真、実は営業していない元映画館だった建物。
昔の看板を掲げただけで賑やかさが増します。
このたばこ店も営業していません。自動販売機がメインの店です。
商店街の4割の店舗は閉まってました。
しかし、営業していないお店に昔の看板を掲げたり、
営業していない衣装店のショーウインドーにおひな様をかざったり、
空き店舗を展示場所として活用させてもらうと町全部を博物館にできますね。
まさにフィールドミュージアム。

道沿いにこんな給食の食器を置いてみたり、
美空ひばりさんの写真やパチンコ台を置いてみたり、
アイスキャンディーを売っていた自転車があったり、
住民にも協力していただき、民家にこんな看板を貼るだけで昭和の雰囲気。
簡易テントでお店を出せば、改装費も建設費もいりません。
倒産したガソリンスタンドもこの通り、素敵な昭和のオブジェに早変わりです。
この後ろには大きな土管が3つ積んであり、昔の原っぱさながら、
子供たちが土管の中に寝そべって遊んでいました。
お金をかけないでよく考え、とてもよく出来てます。
商店街の中には公衆のトイレはありません。
この日、高知のとある町の方々も商店街の人に話を聞きに視察にお越しになっていましたが
様々なアイデアが落ちてる場所でした。
タイムマシンに乗ったみたいな町、
たった4人が、市と協力して始めた商店街です。
やる気があれば10年でこんなことができるんだ、、、。
統一した「コンセプト」と住民と行政の「協力」が大事だと痛感した旅でした。
やるか?あきらめるか?
どうか一緒に力をお貸し下さい。